国分寺の地域通貨「ぶんじ」 ~ありがとうの気持ちを、通貨にのせて~



「おっさんクッキー」


ぶんじ企画チーム齋藤です。

それは、いつものようにひょんなことからはじまった。
3月になり、「鳩サブレ」でいいかと、思ってました、自分、ホワイトデー。
でもそれじゃつまらんなと、思案5秒の挙句、どっかで「鳥的な何か」売っていないかと調べるよりも早く人に聞いてしまう悪いクセにて、お尋ねしたのが今回の主人公「エルツァイトのカネキヨさん」でした。

「すみません。鳥のクッキーとかってどこかに売ってませんか?」

「一緒に作りましょうよ。ふふふ」

ふふふにへへへでこりゃまた、おもしろくなりそうだなと思ったのが始まり。

生まれてこの方35年、クッキーなんぞ焼いたことなんてない!
それは女子がみんなで集って、わいわいきゃあきゃあ言いながら「ねぇねぇ誰にあげるの」って何億回言われたか知らんの台詞とともに、家庭科の授業のあとの休み時間、おいおいなんだあの廊下の端の2人は!おりゃ知らんぞ、よし、みんなでスライディングタックルの練習だとイタイケナ2人を襲撃するのが慣わし。
そんな、薄っぺらい青春。

ともあれで、
日頃、僕の友達のおっさんたちを支えてくれる女子たちへの感謝を、ホワイトデーを通して、おっさんを通して届けたいと思ったのであります。
そして、クッキーを焼きながら、カネキヨさんの情熱に触れたのでした!


3月10日(日)13:00
国分寺本多公民館調理室
カネキヨさんがすでに準備をして待ってくれていました。

今回のクッキーはカネキヨさんの発案で、卵を使用しないと言うことに。
「だって、鳥が作って卵が入ってたら共食いになっちゃうじゃない」との事。
そこまで気をつかっていただきありがとうございます!

作業は本当に簡単


こねる
のばす
かたちつくる
焼く


「こねる」

まるで土遊び!こねこねしてるうちに何を作ってるのかわからなくなるんです。ほんと、ただ楽しくなってくる。で、最初コナコナだったのが、徐々に固まりになって来る!うほ!

「のばす」

びろーんと均等な厚さになるように、生地の両サイドに同じ厚さの板を置いてその上を「のばし棒?」で、びろーん。こういう工夫が大好き!
抹茶と紫いも

「かたちつくる」

型枠はカネキヨさんが持って来てくれました。生地の中を鳥が遊んでいるようだ!この型枠から抜くのが一苦労。集中力を要す。

「焼く」

ふっふっふ、いい香りがね、そりゃ、もういい香りがさ~。焼いている間に手際よく他の生地をこねたりのばしたりするのです。もう楽しいったら、なんだろ、このちびっ子感覚!小学35年生だな。

さて、ココからが本題。
お菓子作りしながらの会話って面白い!家庭科女子よ、今ならわかる!
「奥田さんってなにしてるの?」
「あ、奥田さんは寺沼さんに改名して、西国分寺という寺を作るためにがんばっています」
「…ふん、大変だね」

ともあれ、カネキヨさんは子供たちと一緒にお菓子を作るワークショップを開催しています。
カネキヨさんが主催する「エルツァイト」詳しくは
http://ameblo.jp/l-zeit/

そこで聞いてみた「エルツァイトをはじめるきっかけは何だったのですか?」

「わたし、友達がいなかったんです」

あ~、すみません。いきなりで話題をそらしたほうがいいかなと、不穏な空気が流れる…

「親子が集って、ワイワイガヤガヤやるのは良かったんだけど、みんな袋菓子ばっか食べてて。別に悪いことではないとは思うけど。ある日、牛乳寒天を作って持っていったら、他の親の方から『そういうことしないでくれる』って」
「なんか違うなって。で、友達作ろうと思ったの」
「色々やっていくうちに、友達が出来て、近所のお菓子屋さんが協力してくれて。それがうれしくて。」


わかる。そういうことなんだと思う。


「今回、売ってませんか?って聞かれて、作ったほうが楽しいと思ったのね。買うと高いし!」
「ドイツでは男性がみんなクッキー焼くの。日本のおせち料理みたいに、クリスマスとか記念日とかにみんなでクッキー焼く。それぞれの家の味があって。ちょっとこれ食べてみてみたいに。」
「おいしいお店があるじゃない。日本ではどこそこの店のあの味がおいしい。なんだけど、ドイツでは『あのお店の味、うちの味に似ておいしい』なのよ!」

そういうことなんだと思う。
お店でも家でも「手作り」が伝わると、ホッとする。
それはきっと、「ただいま」
なんだと思う。


おっさんクッキーが届けたかったこと。
「ありがとう」と「ただいま」
僕はまたクッキーを焼いてしまうのだろう。


準備は大変だったとおもいます。
おかげさまで、何も知らないおっさんがクッキーを楽しく焼くことが出来ました!

エルツァイトの「Zeit」とはドイツ語で「時間」。
カネキヨさん、おいしい時間をありがとうございました!


100ぶんじ



おしまい



齋藤弘典 小学35年生